NO.0229 豆知識―「湿」と梅雨の過ごし方―

いよいよ入梅です。
この時季、気温が低いときはまだいいのですが、気温が高くなってくると
この湿気には本当にまいってしまいます。
梅雨というのは、高温多湿の日本の夏に対して体の準備期間のような季節、
梅雨を上手に過ごすことにより、楽な夏が迎えられると思いますので、
今日は湿度と体についてお話しましょう。

まず最初に関連する夏バテからお話しましょう。
夏バテは冷房の効いた部屋と暑い室外との温度差が、体のリズムを崩して
全身倦怠、食欲減退、下痢、不眠などの症状を起こすものです。
この状態になる前に冷たいものの摂り過ぎや偏食、睡眠不足などを
必ず繰り返していることをもう一度思い返してみましょう。
「夏はだるくて!」とか、「夏バテでまいった」という経験のある方は
この梅雨時季からの注意が大切なのです。

そこで、梅雨時季の湿度を東洋的思考で考えてみます。
湿を体に感じ始めると皮膚の表面から体内に感知され、体全体の分泌物や
排泄物が濁ってサラサラ流れなくなると考えられます。
その濁った分泌物や排泄物は粘着性が強く、体のムクミ、四肢のだるさを
起こし、関節に停留すると痛みを起こす形で現れてきます。
湿は水に似ている形であるため、体の流れが滞り胃部のつかえや便通が
スッキリしないという症状を発します。
東洋的には湿が体を濁らせると考えられているようです。

しかしどちらにしても、体を覆うじっとり感から不快感を
感じやすくなり、息苦しい感覚が生じます。
中でもむくみやすい方の場合、梅雨時季になると体調よりも精神的に
イライラやモヤモヤを感じやすくなり、軽い咳や薄い痰を生じやすく
なるようです。
また、カビの発生と食中毒も注意を怠れないところです。
およそ40日ほどの期間ですが中々過ごしにくい季節です。
つくづく湿について話していきますと憂鬱な気分になってしまいますが、
この不快ではあっても、なくてはならない梅雨を快適に過ごす方法も
お話していきたいと思います。

先ず、水分を摂るときはできるだけミネラルウォーターを摂るように
心掛け、ジュースや炭酸類は避けましょう。
体内の水分の流れを良くするために夜は冷たい飲み物を避け、体温より
暖かいものを摂るようにしてください。
また、入浴は湯船に入るように心がけ、発汗を促してリフレッシュ
しましょう。食事は緑黄色野菜やタンパク質を多く摂り、食事中の
水分を控えていただくことにより胃のつかえが良くなります。
除湿はできるだけ心がけ、室内にアロマや香などを焚いてみるのも
心地よい気分転換になります。服装に関してはできるだけ明るい色を
身に付け、雨具も気に入ったものを持つと雨の日が楽しくなります。

そしてここからがお肌についてです。
先日のお肌の学校時、乾燥肌でお悩みの方でいつもしっかりお手入れを
されているお客様が「皆さん梅雨がイヤとおっしゃるけれど、
私はようやく肌がしっとりしてきて、この季節が一番好き」と、
おっしゃったときは、皆思わず「ごもっとも!」という感じました。
梅雨時は湿度と温度によって発汗、皮脂分泌が自然に高まりますので
どなたでも潤いを感じるのです。特に乾燥肌の方にとっては、
この季節から初秋までが手抜きを考えられるシーズンということに
なるのです。

しかし逆に月経疹、ニキビの方の場合は、皮膚表面のバランスの
変化により、悪化する恐れがある季節ですので基本のケアはしっかり
していただかないといけません。そして月経疹、ニキビの方は
日焼け止めクリームや夏のファンデーションに切り替えて悪化される
場合も多いので注意が必要です。
この時期のスキンケアは、やはりダブル洗顔後の化粧水コットンパックが
肌のバランスを整える上で最高ですので、アルコール類や香料など
トラブルの原因になるものが配合されていない化粧水を選び、マメに
実施していただきたいと思います。

考え方によっては前向きに過ごせるこのシーズン、夏に向けての
体調管理の時と考え過ごしていきましょう。

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毎日のお手入れや、生活習慣の改善は大変なことですが、後天的な
トラブルは必ず改善しますので、いいリズムを習慣化するよう
がんばってください。
また、ご質問の際、肌の状況、生活、食習慣、年齢など詳しい情報を
いただければ、それだけ適切なアドバイスができるかと思います。
  
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