今年の秋はやはり夏の猛暑の関係か、肌の老化を伴うトラブルが
急上昇しています。くれぐれもお手入れを押さえるべき10月を
抜かりなく乗り切っていただきたいと願っています。
さて今回は近頃メディアでも「未病」という、東洋医学用語が
聞こえて来るようになりましたので、その「東洋医学」について
少しだけ勉強してみましょう。
私たち人間の体は60兆個の細胞で形成されています。そして皮膚は
全体を1枚の皮で形成されています。これはすべての人が同じように、
各臓器の内部組織も皮膚表面の外部組織もそれら細胞で形成されていると
いうことです。そして全身を巡る血液が、栄養を運んでいるのです。
しかし、体をつかさどる組織は同じでも、何らかの理由で病気になって
しまったり、老化が早くなってしまったりします。
これを未然に防ぐというのが、東洋医学の「未病」という考え方です。
それではまず、西洋医学と東洋医学の違いを復習してみましょう。
西洋医学の場合、局所的な治療と考えるとわかりやすいでしょう。
例えば風邪を引いたら、咳、鼻水、頭痛、熱に効果を出す薬を使用します。
そしてほとんど同じ薬が出る場合が多いようです。
これが東洋医学になると、同じ咳でもどのような咳か?例えばコンコン
なのかゴホゴホなのか?鼻水ならば水っぽいのか、濃い青鼻なのか?
患者さんの体型はやせているか太っているか、それらを総合的に見極めて
薬を出します。また、薬の量に関しても西洋医学では40kgの人も
70kgの人も同じ量で、年齢で区切っています。
東洋医学の全体的なバランスを整える考え方とはかなり異なりますね。
そして化学の最先端の薬を出す西洋医学と、植物の樹皮、根、種子、
果実、鉱物、貝、動物等、生薬を組み合わせた東洋医学の薬を区別し、
西洋医学の薬を「新薬」東洋医学の薬を「漢方薬」呼んでいます。
悪いところや症状を、西洋医学では治める、止める、取る、
東洋医学では、全体的にバランスを取ることで調整するというのが
大きな考え方の違いのようです。
この辺りを理解すると、お肌のトラブルも良くわかってくるんですよ!
お肌にトラブルが発生するのはなぜか?と考え、その人の肌を見極めて、
体質や嗜好を考え合わせていくとなぜ回復できないのかがわかってきます。
私の肌のアドバイスも、同じような見極めをさせていただくので、
東洋医学的発想はよく理解できるわけです。
ですから、成人型ニキビの方やアトピー性体質でお悩みの方が
ストレートに新薬に頼ってしまうのはあまり賛成できないのです。
まず、自分の体質、肌質の見極めが皮膚トラブルにも大きな要因になり
ますので、きちんとアドバイスをしてくださるお店探しは大切ですね!
それからもうひとつ覚えていただきたいのは、民間生薬というものです。
例えば柿の葉やセンブリ、ハト麦など煎じてお茶として飲む民間療法で、
飲む量や煎じ方なども特に決まってなく、口コミや地方によっていろいろ
ありますので、自分に合ったものがあれば生活の中に取り込んでいくのも
よいと思います。
漢方薬は中国から日本に伝わり、日本風にアレンジされて日本人の体質や
風土に合ったものになってきました。ただ気をつけていただきたいのは、
専門家に相談したほうがよいということです。
その専門家もよく勉強している方で、相談者の体質をキチンと教えてくれ、
なぜこの薬を使うのかをアドバイスしてくれるくらい知識のある先生を
選ぶと、ピタッと証に合った薬を選んでくれます。
証に合った漢方薬は本当に安定した体調を維持できるんですよ!
すべてのトラブルは全身が関係しているということを忘れず、日々養生
していくのが一番ですので、毎日の食事が“おいしいな”と感じるのは
とても幸せなことだと思えてきますね。
今回のポイントはトラブルが発生したとき、ピンポイントで新薬に頼り
過ぎないこと。毎日の生活や食事の見直しを、東洋医学の考え方を参考に
していくということですね!
最後に、特に漢方薬が力を発揮するトラブルは、冷え、ストレス、更年期、
生理不順など、お肌にも関係が深い女性のトラブルです。
長い目で見た養生を心がけるといいと思いますよ!
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毎日のお手入れや、生活習慣の改善は大変なことですが、後天的な
トラブルは必ず改善しますので、いいリズムを習慣化するよう
がんばってください。
また、ご質問の際、肌の状況、生活、食習慣、年齢など詳しい情報を
いただければ、それだけ適切なアドバイスができるかと思います。
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