秋は台風シーズンですが、今年は特に台風の多い年です。さすがにタイムリー
であった九州出張は中止になってしまい、とても残念でしたが、帰ってこられ
ないケースを考え断念しました。そして秋は花粉のシーズンでもあります。通
常花粉というと春のスギ花粉を思い浮かべますが、秋の花粉症もかなりいらっ
しゃいます。特に今年は気温差や湿度の関係で秋花粉がとても多い年だそうで
す。春の花粉と違い秋の花粉の原因はキク科やイネ科の植物が多く、身近に存
在するので結構刺激が強く、重症化する方もいらっしゃるようです。面白いの
はスギ花粉症も同様ですが、高齢の方に少ないアレルギーであるということで
す。外国から来た外来植物などが多いということもありますが、食生活などの
影響が強く関連しているのはお分かりだと思います。ちょうど気温差が激しい
季節になり、風邪をひかれている方が多いのですが、春同様に花粉症というこ
とも考えられます。クシャミが止まらなかったり、目が痒くなったら要注意で
す!そして資料によると、花粉症の方は特定の果物、野菜にアレルギーを起こ
しやすいというデータがあるのです。例えばスギ、ヒノキのアレルギーの方は
トマトに注意!北海道に多いシラカバのアレルギーの方はバラ科のリンゴ、モ
モ、ナシ、イチゴなどに注意!その他ニンジン、ブタクサのアレルギーの方は
メロン、キュウリ、バナナ、スイカに注意!ヨモギのアレルギーの方はリンゴ、
キウイに注意など、このような野菜や果物は自分のアレルギーを考え、気をつ
けて摂るようにしましょう。そしてもう一つ、面白い資料がありました。科学
技術振興事業団参事だったころの粟屋昭先生が発表した“ホクロの多い人は花
粉症になりにくい”というというユニークな統計発表です。このお話はまた次
の機会ということで、楽しみになさってください!
今日の“季節のお手入れ”は、いつもクレンジングの必要性をしっかりお話し
ているつもりですので、次のステップである洗顔料について勉強してみたいと
思います。季節の変わり目、洗顔料によるツッパリ感やピリピリ感はありませ
んか?日本人のほとんどの方は清潔好きですので、とにかくきちんと顔を洗う
方が多いようです。洗顔をするということは良いことなので是非洗っていただ
きたいのですが、その方法が日本人、特に日本女性に合わない場合は皮膚トラ
ブルの原因にもなりますので、洗うということは結構大切なスキンケアになる
のです!いつもお話しするようにクレンジングは毎日していただきたいお手入
れであり、その選び方も大切なポイントになりますが、洗顔料も“洗うものだ
から”的に適当に選ぶことは避けていただきたいと思います。実際にスキンケ
アの中でも“落としてしまうもの”という感覚でテキトー使いの一番多いアイ
テムがクレンジングと洗顔のダブル洗顔なのです。高級な乳液やクリームは使
っているのにクレンジングや洗顔はドラッグストアで済ませてしまう方がとて
も多いようです。しかしこの感覚がお肌の老化を招くということを忘れないで
いただきたいと思います。ヨーロッパではクレンジング→拭き取りというケア
が肌質と水の硬度から主流になっていて、スクラブやピーリングなどを使用し、
角質を除去しながらケアをしていくというのがスペシャルケアとして浸透して
いますが、これはあきらかに日本人と欧米人の肌質の違いからくるものです。
日本では水の質や肌質から考えてもスクラブやピーリングをマメに行うと、た
とえ自覚がなくとも肌トラブルが現れ、シミやシワになりやすくなってしまい
ます。ということは日本人には肌にマイルドな洗顔料ということになるのです
が、実際にどれがやさしくてどれが強いかは中々わからないのが現実です。昔
シリコーン入りシャンプーが髪の毛の痛みや切れ毛の原因になったように、洗
顔では合成界面活性剤のしっかり使われた洗顔は泡立ちも良く、使用感も良い
のですが、しっかり泡立て、擦らないように注意して洗顔をしなければなりま
せん。特に区別がつかないときは、泡立てにネットの使用すると良いでしょう。
そしてツッパリ感を感じたときは、朝の洗顔を避け、ぬるま湯ですすぐだけで
も秋冬は特に問題ありません。特に乾燥肌の方は、その方が良いでしょう!洗
顔料の中には合成の界面活性剤が主でないタイプもありますから、肌にやさし
いものを選んでいただければよいと思います。
そして近頃、結構ヒットしている洗顔料に酵素洗顔というものがありますが、
こちらも少し注意が必要です。酵素は皮膚表面の肌を溶かしてしまう性質があ
ります。肌の表面はアカとしての角質成分に覆われていますから、確かにタン
パク質を分解する酵素洗顔は添加物もほとんどなく安くて安心なイメージで使
用できそうですが、これが失敗のもとになり、肌の表面が薄くなることにより、
かえって肌を守ろうと皮脂が多く分泌されるという結果になったりします。こ
のような洗顔料は、使い方を間違わないようにすることが大切で、脂性肌の方
で、思春期にニキビが出たような方で週に1~2回の使用が限度かと思います。
乾燥肌の方やシミなどのトラブルのある方は朝はすすぐだけ、泡を乗せるだけ
の洗顔が良いので、もちろん酵素洗顔は避けていただいた方が良いでしょう。
特に入浴などでゆっくり発汗ができない方の肌は、そろそろインナードライ状
態を起こし、肌そのものの能力が低下してきます。インナードライとは皮膚表
面の毛穴が開きぎみでオイリーに見えるのですが、トラブルは乾燥!肌のクス
ミ、シワが目立つという状態の肌をいいます。潤いがあるように見えるのに実
は乾燥を何とか防ごうと皮脂だけが活性している状態ですので、表面のテカリ
と内部の乾燥が反比例しているため湿度が下がって寒さを感じるようになって
もこの状態ですとカサカサと皮剥けが始まり、いっぺんに老け顔になってしま
う恐れがあります。“インナードライ状態”かなと感じたら、すぐにクリーム
タイプのクレンジングにしてやさしく使用、洗顔もできるだけ優しい仕上がり
のものにして、化粧水をたっぷり使用!基本的に水分不足状態ですので、でき
ればアルコールフリーの化粧水を使用して週2~3回はコットンパックを5分
間行うのが良いでしょう。その後保湿のクリームやエッセンスを使用するよう
にして下さい。そして朝夕は150mLほどの白湯を飲み、内臓を温めて活性
させましょう!
日本人に合うお手入れで大切なことは、洗顔を“こする”“とりさる”要素の
少ない物にして、お手入れのファーストステップをやさしく!しかしそれでも
しっかりと汚れを落とすことができる物を選び、始めてみましょう!
秋は毎年のことですが基本の見直しが大切ですよ!