寒の戻りでしょうか?気温がぐっと下がり、寒い日が続いています。
その上強風で、JRも散々の運行状況でしたね!
今年は花粉症の方がけっこう重く、肌も咳も鼻もカユミも、
かなりつらい方が多いようですが、花粉アレルギーはこのところ何回か
お話していますので、今回はアレルギー関連の敏感肌とアトピー性皮膚炎
ついて久しぶりに復習してみましょう。
今から25~26年前、ステロイド剤の副作用が急浮上し、
使用を拒否する患者さんが増えました。
しかしそれが逆に副作用の発生を促し、本当にすごい状況になるという
社会現象が起こったのです。私がトラブル肌を本格的に勉強していたのも
この頃で、ステロイド外用剤の副作用の方のすさまじさを目の当たりに
見てきました。この頃は病院も患者さんもステロイド外用剤に対して
かなり神経質になっていました。
アトピーとはギリシャ語で“不思議”とか“不特定”とかいう意味を持つ
言葉で、何でもない人はまったく感じないのに、あるものに反応する人は
赤味やカユミを発生させてしまうという、そのものにアレルギーを
持たない方には本当に不思議な皮膚トラブルです。基本的には乳児期、
幼児期、成人期に分けて考えられ、乳児期と幼児期は食物アレルギーとの
関連がかなりあり、喘息と交互に皮膚にあらわれる場合も多いようです。
元々、かなり昔になりますが、アトピーの赤ちゃんは2~3歳で半数は治り、
10~15歳でさらに半数になり、20歳ぐらいではほとんどの方が
治ってしまうといわれていました。しかしこの10年では、30年前の
10倍になったともいわれているのです。
私は、トラブルを抱えた相談者の方へは、本当にアトピー性皮膚炎なのか!
ステロイド剤など外用剤の使い過ぎなのか!その他のトラブルなのかを
お話しするように心掛けています。
やはり元々持っている肌質は正直なもので、時間をかけてケアをしていくと
かなりの率で正常な肌へ変わっていきます。
ただし、季節アレルギーのある方は、その時期悪化する場合もありますし、
ストレスなどでも悪化する場合があります。
ずっと肌を勉強させていただいていると、都会型の人ほど敏感なアレルギー
の方が多く、地方の方のほうが割りに少ないと実感しています。
そして他にも色々な傾向があり、
1)まじめな方ほどちょっとしたことで悪化する。
2)おおらかな方ほど回復が早い。
3)カユミが強いアトピー性皮膚炎といわれる方は、体重が増加傾向の
とき悪化しやすい。
4)アトピー性皮膚炎を勉強し過ぎてこだわりの強い人ほど普通の
スキンケアを持続できない。
など、体験的に感じることが少なくありません。
そして、ステロイド剤やプロトピック、非ステロイド剤などのぬり薬も、
カユミや赤味を軽くしてくれることはあっても体内でそのカユミや赤味の
原因を治してくれているのかという問題を考えてみると、やはり上手に
対処療法的な薬を使いながら体質改善を心がけ、スキンケアを毎日行なう
ことによって、皮膚のバリア機能を高めていくという方向に持っていった
ほうが良いと思われます。
免疫学の第一人者、安保徹先生の免疫学の著書の中に「アトピー性皮膚炎の
カユミや発疹は抗原や汚染物を洗い流す治癒反応であり、カユミを抑え発疹
を抑えるステロイドそのものが治癒反応と逆行していることになります。」
という一文があります。
確かにカユミを勉強していくと“皮膚を掻くことでアレルギー物質をすばやく
排泄させようとしている”と考えられてきます。
ということは皮膚の内部にアレルギー物質(異物)を入れないための
スキンケアはとても重要だということです。
そこで、今日は肌の弱い方、薬を使用中の方のケアを挙げてみましょう。
基本として最低ラインを用意し、できれば長く使っていただくのが良いと
思います。スキンケアでいえば、クレンジング、洗顔、化粧水、ピュアな
オイル、保湿クリーム、日焼け止めになります。
使用方法としては、アレルギーが起こっているときは、ピュアなオイルを
先につけて、バリア機能を高めながら酸化した汚れを落とすために
クレンジングを手で柔らかくして使用します。汚れをティッシュで押さえたら
再びオイルをつけて入浴します。シャンプーリンス後洗顔していただくの
ですが、このとき赤味、カユミがあればシャワーを直接肌にかけることせず、
流水を湯桶からかけるように洗顔してください。そしてよくすすいだら、
すぐにピュアオイルをつけて入浴終了。その後化粧水やクリームをつけ、
ひどく悪化した部分はお医者様の指示に従い薬をつける。
日中もクレンジング以外は同じで、薬は夜だけの方がいいでしょう。
弱っているときは日焼け止めクリームもかぶれの原因になりやすいので、
紫外線散乱効果のあるパウダーがお勧めです。
ボディも同じようにケアしてあげるのが一番よいと思います。保湿剤類を
重ね付けした肌には肌に合ったクレンジングを使用してあげた方がカユミを
軽くすることができます。毎日でなくとも実行していただきたいですね!
スキンケア、ボディケア共に、調子が良いときも悪いときも実施していく
ことがポイントです。バリア機能を高めて、異物を傷口から体内に入れない
ようにして、カユミを促進させないようにすることが先ず大切と考えて
ケアの参考にしてください!
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毎日のお手入れや、生活習慣の改善は大変なことですが、後天的な
トラブルは必ず改善しますので、いいリズムを習慣化するよう
がんばってください。
また、ご質問の際、肌の状況、生活、食習慣、年齢など詳しい情報を
いただければ、それだけ適切なアドバイスができるかと思います。
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