NO.0812 季節のお手入れー皮脂膜の強化ー

近頃出張でホテルに宿泊することが多く、毎回風邪を引くのではないかとヒ
ヤヒヤしています。昨日もセミナーで30人以上の方と同じホテルに宿泊し
たのですが、快適に過ごせた方と寒くて大変だったとおっしゃる方と分かれ
ました。不思議なのですが高層階の方は快適といわれ、下層階の人はすごく
寒かったといわれる方がいました。私も下層階でした!1人風邪を引いてし
まったスタッフがいらっしゃり、やはり乾燥の強い2階はちょっとしたこと
で体調を崩すことがありますから要注意です。ホテルでは湿度が大切なので
ポットでお湯を沸かしたり、湯船にお湯をためて浴室のドアを開けておいた
りするなど小さな保湿管理をしています。暖房をつけっぱなしにするときも
湿度を高めにするのがポイントです。自宅でも湿度アップは大切ですので心
掛けて下さい。

そんな乾燥状態の寒い冬(もう立春過ぎましたが)肌の状態はいかがでしょ
うか。お手入れが日々出来ている方と出来ていない方の差が、今年はかなり
出る感じです。以前にもお話したことがありますが、キメの細かな肌質の方
ほど今年の空気乾燥は老化ストレスが1日中あるということです。
・ここで肌の老化度チェックをしてみましょう。
※入浴後、何もケアしない状態でしっとり感は何分くらいで出てきますか?
※それどころかどんどん乾いてしまい、つっぱり感を感じていませんか?
このチェックは、肌本来の持つ力が湯上り状態の乾燥化で力を発揮してくれ
るかのテストなんですが、いかがでしょう?
脂分の多い私でもけっこうなつっぱり感を感じます。乾燥肌の方ならば、入
浴後何も使用しない肌状態は、まさに砂漠化してしまいます。今日は特に朝
方雪が降ったようで久しぶりの寒い日でしたからなおさらです!

それではちょっと勉強ですが、入浴後、肌に何もついていない状態を正常に
戻そうとする働きが本来肌にはあります。わずか1/2000ミリ(0.5
ミクロン)の薄さの肌表面をコーティングしてくれる皮脂膜と呼ばれる保護
コートです。近頃耳にするセラミドやNMFなどの肌の潤いガード物質同様
に、肌本来のコート力ということになります。よく弱酸性という言葉を耳に
しますが、これは水素イオン濃度を測り、肌バランスにそって一番良いpH
が弱酸性ということになり、pH4.5~6.5の数値を表す皮脂膜のpH
を指します。水素イオン濃度はおわかりと思いますが、0~14までのうち
7を中性として、これより低い方を酸性、高い方をアルカリ性とします。そ
して弱酸性の皮脂膜は色々な作用をもって肌を守っていきます。まず私たち
の肌の表面で自然にできる保護膜なので何よりも肌表面がバランスの良い清
潔な状態でないと、皮脂膜のpHも変化が出てしまいます。そのためには、
肌に優しいクレンジングと洗顔の使用を心掛け、そこから自然に発汗する汗
と自然に分泌される皮脂に角質細胞由来成分のコレステロールやリン脂質が
天然の乳化剤となってクリーム状に混合し、肌をコーティングしてくれる、
まさしくナチュラルクリームとなります。これは肌だけではなく地肌に近い
部分の毛髪にもある現象です。このナチュラルクリームの皮脂膜こそが、先
程の弱酸性のpHを保ってくれる保護膜と考えて下さい。どなたにもこの皮
脂膜はキチンと形成されるのですが、皮膚表面の汚れや生活パターンによっ
てpHがうまく保てなくなることもあります。そうするとトラブルが発生し
やすくなるということなのです。皮膚表面には常在菌といって、カビや細菌
が存在するのですが、これらは酸に弱いので弱酸性が保たれていれば特に増
えることはないということになります。
この皮脂膜はその他に
・肌表面の水分の蒸発を防ぐ作用
・紫外線防御作用
・温度、湿度の変化から守ってくれる作用
それに先程の肌表面を弱酸性に保つ作用がプラスされ、天然の殺菌作用が保
たれるのです。こんなに素晴らしい活躍をしてくれるナチュラルクリームが
日々のお手入れミスによって上手に形成されないことがあるのです。今日は
ナチュラルクリーム=皮脂膜のバランスをとるお手入れを提案しますね!

先ずは面倒と思わずダブル洗顔(クレンジング→洗顔)を入浴前にして下さ
い。そして、天然のオイルをお顔がテカるくらいつけて入浴です。防腐剤も
フリータイプが一番です。10~20分、シャンプーもリンスも終え、最後
に軽くお顔をすすいだら、タオルを少し温かめにした湯で絞って下さい。そ
んなに熱くなくて大丈夫です。ホットタオルで抑えるようにオイルを拭きま
す。小鼻の辺りは少し強めに拭いて下さい。そして入浴後は、化粧水をすぐ
に手付けして乾燥させないようにしてから身づくろいをし、落ち着いたらコ
ットンに化粧水をたっぷり含ませて薄く分けながらお顔に貼るコットンパッ
クをしましょう。5分~7分が目安です。苦しくないように鼻と口の部分を
開けて、コットンの上からラップを掛けてもらうとより保湿できます。先程
お話しした皮脂膜を思い出してください。まさに油分→水分のお手入れで、
皮脂膜強化のお手伝いということになります。コットンを外してエッセンス
やクリームでお肌を整えていただくとしっとり感が全然違います。今年のよ
うな肌に厳しい寒さの中では、どなたでも週1回は行って頂きたい肌力アッ
プのお手入れです。これはすぐに実行してみてください!みるみる肌力が変
わりますよ!

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